長谷川:鍾馗2型丙を作る
日本初の重戦闘機
日本が開発した最初の重戦闘機が「 中島キ44鍾馗」です。
鍾馗の1/48スケールのキットは長谷川のキットと古くはニチモのキットが有りますが、入手のしやすさから言っても、長谷川のキットが作りやすい様ですね。
今回は、「飛行第70戦隊」のキットを作る事にします。塗装は日の丸を含めて別売りデカールを使ってさっさと作り上げようと考えています。左側のデカールが別売りのものです。この中から、茶褐色にダークグリーンの斑点迷彩を施していた「第85戦隊の『若松大尉機』」を選ぶ事にします。
パーツの数は1/48の標準的なものではないかと思います。筋彫もすっきりしていてなかなか好印象のキットです。
コクピットの組立
組立説明書の順番通りに、まず、計器盤とコクピットの塗装と組立から始めます。
計器盤にはデカールが用意されていますが、このキットの計器盤のパーツはかなり立体的にモールド表現されているので、デカールをフィットさせるのには無理が有ります。
折角細かくメーターの針まで表現されているので、塗装する事にしました。
ツヤ消しの黒をエアブラシで塗った後、銀色でドライブラシします。田宮のウェザリングセットが使いやすくて便利です。
さらに、デカールを参考に、メーターに赤などでアクセントをつけました。
メーターのガラス表現のために、GSIクレオスの「美透明接着剤」を爪楊枝の先にほんの少量付けて各メーターに置いて行きました。この接着剤はかなり粘度が高いので少し盛り上がり過ぎましたが、翼端灯の再現などには重宝しそうです。
コクピットの塗装と同時にキャノピーの内側にも機内色を塗装するので、キャノピーのマスクを先にしておきます。
今回もキャノピーのマスクにはホビーサプライツキムラさんのカット済みマスク、BB03TA【ハセガワキット用】1/48 二式単座戦闘機 鐘馗II型を2セット利用しています。
今回はシートベルトをファインモールドのナノアビエーションシリーズの「日本陸軍機」用のものを使ったのと、シートの軽め穴を開口した以外は特別なディテールアップはしていません。
コクピット内部はMrカラーの「日本軍機内色中島系」をそのまま使っています。コクピットの塗装と同時にキャノピーの内外両面も塗っておきます。
エンジンの組立とプラグコードの追加
空冷星形エンジンのディテールアップの定番のプラグコードを0.3mmの半だ線を使って追加しました。実際の「ハ109エンジン」は一つのシリンダーに2本ずつのプラグコードがありますが、ここはちょっと手抜きをして、各シリンダーに1本ずつにしました。
本体はMrカラーのダークアイアンで塗装し、綿棒で磨いています。Mrカラーのメタルシリーズは磨く事ですばらしい金属の質感が出てくる非常に使いやすいシリーズです。これさえあれば高価なメタルカラーを使う必要はなさそうに思います。
半だ線の接着には瞬間接着剤を使いますが、キットのエンジンパーツのプラグコード出口と半だ線の先端の接着部分が先端同士の点接着になるので、少々てこずりました。
写真に撮ると肉眼で見るより大きく見えるので、接着部に接着剤が盛り上がってしまっているところが目立ってしまいます。肉眼では写真ほどは目立たないし、プロペラのハブも有るのでこれで良い事にしました。
胴体、主翼の組立と貼合せ
胴体部品の接着あとは、ほとんど何もする事がないぐらいにきれいに仕上がります。下面の接着あとを軽くサンディングしただけです。
主翼と胴体の接合は若干の問題が有ります。まず、下面の主翼後端部と胴体部品の間に0.3mm程の隙間が出来てしまいます。
黒の瞬間接着剤をパテ代わりに使って、隙間を埋めてしまいました。
上面のフィレット部分にも隙間が生じるので、何度もすり合わせましたが、最終的にはここにも黒の瞬間接着剤を使って隙間を埋めると同時に、接着後の強度を確保する事にしました。
この段階では気が付きませんでしたが、このキットの組立説明書の手順の中には、主翼下面に取り付ける落下燃料タンク(爆弾)取り付け架の接着場所の穴を開口する指示がありません。
主翼の上下を貼合せる前に燃料タンク(爆弾)取り付け架用の穴を開口しておく必要が有ります。
今回は、仕方がないので取り付け架なしで組み上げる事にします。
塗装する時の注意点
日本機の製作はプラモを再開してからは今回が初めてですが、資料も揃ってきているので、数十年前の高校生の頃に比べると随分助かります。
まず、全体にサーフェーサーを吹き付けて、傷や隙間の最終チェックを行います。
今回も、主翼付け根等に若干の隙間が有ったので、黒の瞬間接着剤で再修正しました。
塗装はまず初めに脚収納庫の「青竹色」をMrカラーのC57青竹色をエアブラシで塗装し、脚庫内部をマスクしてから、主翼前縁の味方識別帯の「黄橙色」をMrカラーのC58黄橙色をそのまま吹き付けました。
識別帯のマスクにはツキムラさんの曲線対応マスキングテープ(青)2mmを使っています。こうした比較的半径の大きな曲線のマスクには特に威力を発揮します。
次に、日本機の特徴の一つである激しい塗装のはがれを表現したいと思うので、コクピットなどをマスクしてから全体を銀色で下塗りします。今回の機体の銀色はMrメタルカラーのMC211クロームシルバーを使いました。
全体塗装に入る前に塗装の剥れを表現するためにクリアー塗料を吹き付けます。
ここで、大きな失敗をしてしまいました。あまり考えずにMrカラーの缶スプレイのスーパークリアーを使ったのですが、折角の銀塗装の輝きがすっかりくすんでしまいました。
後で知ったのですが、Mrカラーのホームページには「メタルカラーの上にはスーパークリアーは塗らないように」と言う注意書きが有りました。
銀色塗装の塗膜を保護をするためには、水性のクリアー塗料を使う必要がある様です。水性塗料でも充分に乾燥した後ならアクリル系の塗料の上塗りは出来るはずなので、迷彩塗装などに支障は来さないと思います。ただ、無塗装銀色の金属の質感を出すには、クリアー塗料はなるべく使わない方が良いのかも知れません。
反射防止のフラットブラックも迷彩塗装終了後にエアブラシで塗装しました。
迷彩の基本色の「土色」はMrカラーのRLM79(C139)をそのまま使っています。斑点の濃緑色は適当な手持ち塗料がなかったので、原色の青と黄色を混ぜたものにダークグレーを入れて彩度を落として使いましたが、ちょっと明るすぎた様です。さらに、フラットベースを入れ忘れたので、ピカピカになってしまいました。
ツヤはデカールを貼った後にツヤ消しクリアーで整えるので、この段階では気にしない事にします。
今回は「空色」にしてみました。
この色も「白に小隊色の一つ『コバルトブルー』を混ぜて作った間に合わせの色」と言う事にして、自分の好みを優先して調色しました。
アンテナ線は艦船模型用の0.1mmの「メタルリギング」を初めて使ってみました。かなり腰が強いので、ほとんどテンションをかけずにピンと張る事が出来ます。
今回は、一旦は上手くピンと張れたのですが、アンテナ柱側が外れてしまい、張り直した際に少したわんでしまいました。
キャノピーの内側の補助フレームのパーツを紛失してしまったので、今のところ付けていません。出てきたら付け直すつもりです。
細かいところでは、ピトー管はファインモールドの金属パーツが手に入ったので使用しました。
主翼の12.7mm機銃銃身は放熱用の穴の表現を生かしたいので、キットのパーツの先端を開口して使っています。
プロペラスピナー先端の始動用フックは開口しました。
主翼下面の脚庫カバーの一番上の長方形のカバー、鍾馗独特の脚引き込みリンクのカバーはキットのパーツを約1/3の厚さに削り込んで使いました。
他のパーツとのバランスを考えて、ペラペラにはしませんでした。
マーク類は日の丸も含めてデカールを使っています。マークセッター、デカール軟化剤を使って丁寧に作業をすればシルバリングが発生する事はほとんどありません。
今回はデカールの研ぎ出しはせずに、デカールの乾燥後にフラットクリアーでオーバーコートしただけです。
これで塗装仕上げと遜色の無い出来上がりになったと思っています。
利用したデカールの日の丸の色が原色の赤ではなく、少しくすんだ色だったので、プロペラスピナーの赤は原色の赤にダークグレーを混ぜて調色しています。
プロペラの黄色の帯は黄橙色を使って塗装しています。プロペラブレードの根元の小さな黄色い長方形は塗り忘れてしまいました。
まず先に黄橙色を塗ってから、帯と長方形をマスクしてプロペラブレードを塗れば良かったのですが、今回は順番を逆にしてしまったのでマスクするのが少々面倒くさくなってしまったせいも有ります。
ブレーキパイプを0.3mmの半だ線で追加しましたが、左主脚はブレーキパイプを前に持ってきてしまうと言うミスをしてしまいました。
主脚が瞬間接着剤で汚れてしまうのを嫌って修正していませんが、やはりかなり気になるので、いずれ修正したいと思っています。
どうも詰めが甘いですね(^^)>
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